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お客さまの声
2021.04.01 お客さまの声

mirucoを使ってみた感想とmirucoの今後

ウィル訪問看護ステーション

看護師 落合 実さん

目次
  • mirucoを使ってみた感想
  • mirucoの今後 ~訪問看護師に安心感を与えるツールとして~
  • 普及を加速させるために ~①研究 ②事業所の安定~

【mirucoを使ってみた感想】

インタビュー動画(約5分)

■ 初めて「miruco」を使用した感想

ポケットエコー「miruco」を使うことになったのは、モニターの企画にお誘いいただいたことがきっかけでした。以前からポケットエコーの存在は知っていましたが、使うのはそのときが初めてでした。

私自身、大学病院から訪問看護に転職していく中で、カルテが電子カルテになっていくように、心電図やエコーのデータも在宅看護で見ることができたら、もっと病院に近いような円滑な対応ができるようになるのでは?と思っていたので、とても興味深く使わせていただきました。

実際に「miruco」を使ってみた感想ですが、とても持ち運びがしやすいのに、しっかりと画像や映像で自分たちが見たいものを記録できる。また患者様にも苦痛がなく、そのデータも事業所内で共有できて経過観察もしやすい、と訪問看護の事業所にとって「使い勝手の良い道具だな」と思いました。

■ 訪問看護での「miruco」の使い方

印象に残っているのは最初に「miruco」を使わせていただいた利用者さまで、病院(肺炎で入院)から退院してきたばかりの方でした。

利用者さまの自宅へは肺炎の予防のため、夜間に定期的な訪問をしていたのですが、夜間の尿漏れで困っていました。訪問時に「トイレは行きましたか」と尋ねると「さっき行ってきたので、後は寝るだけ」とおっしゃいます。しかし、実際は夜間に尿漏れが起きてしまい、ご家族がシーツ交換をしたり、夜中に起きてトイレ誘導をしたりするなどと大変困っていました。

私たちもトイレに行ったばかりであればということで、パット(オムツ)の当て方を工夫するといった対応をしていたのですが、たまたまエコーのモニターになりましたので「miruco」を当ててみました。すると「30分前くらいにトイレに行った」とおっしゃっていたのに、尿が少し残っているように見えました。そこで「訪問が終わった後に、もう一度トイレに行ってから眠ってみてはいかがですか」とお伝えしたら、しっかりとお小水(排尿)が出て、夜間の尿漏れが無くなりました。

利用者さまに「お手洗いに行きました」と言われている状況では、「念のため、もう一度トイレに行きましょう」と伝えるだけではなかなか行動を移すまでに至りません。しかし「miruco」を当てた(尿が貯まっている膀胱の)画像を見せたことで、本人も「そうなんだ」と納得していただけたのだと思います。私たちにとっても「miruco」を当てることで、パットの当て方の工夫ではなく、もう一度お手洗いに行っていただくという風に看護が変わった、というエピソードとして、とても印象に残っています。

■ 訪問看護で役立ったこと、今までと変わったこと

「miruco」を導入して変わったことは、肺炎のリスクがある利用者さまと、膀胱留置カテーテルを入れている利用者さまには、定期的に当てるようになったことです。その結果、アセスメントの視点が一つ増えたことが事業所として大きく変わったことです。

その視点とは“触る”“聴く”といった主観的・抽象的なものではなく「画像」「動画」という明確なもので、かつ距離が離れていても共有しやすいデータとして一つ増えたということが良かったです。

その結果、訪問看護ステーションにとっては、看護師が現場で「何かおかしい」と思ったときに、今までは電話をしていましたが、画像で状況を共有することができるようになりました。また、今までと違う看護師が担当したときに、ちょっと当ててみるだけで過去の画像と比較することができるようになり、事業所にとって安心感が増したという点が変わりました。

【mirucoの今後 ~訪問看護師に安心感を与えるツールとして~】

インタビュー動画(約3分)

■ 今後「miruco」は訪問看護の現場で安心感を与えるツールへ

今後「miruco」が、訪問看護の現場で、もっと広まれば良いと思っています。実際に使った感想として、友人や周りの看護師に「訪問看護で『miruco』を使うと、すごくいいよ、便利だよ」と伝えると「医師のようになっていくのでは?」「業務が増えるのでは?」というような心配する声をいただきます。私も認定看護師なので、特定行為の研修などを受ければ、脱水のときに「miruco」を当ててみたらどうか?などと考える事もありますし、そういった看護の新しい業務や新しくできることに対して「miruco」は貢献できると思っています。ですが、それよりも「miruco」は、看護師に安心感を与えるツールとして広まっていけば良いと思っています。

弊社の訪問看護師は若いので、一人で利用者さまのところに行って何か判断をしなければいけない、と思い込みがちです。しかし、そんなことはなく、皆で考えたことを体現するのが担当看護師の役目です。情報も電話などを使って共有できるので「病院とそれほど変わらないよ」と説明しています。それでも、やはり不安に思いながら訪問看護に行ったり、それ以前に、なかなか訪問看護師に就職する勇気が湧かなかったり、といった看護師もいらっしゃると思います。

そのようなときに「miruco」があれば、動画や画像など客観的なデータとして、撮った瞬間にいろいろな方と共有できるので、看護師に一つ安心感を与えるものとして、これから普及していけば良いなと思います。

■「miruco」の活用の第一歩として研修・教育を受ける経験が大事

実際に使ってみると、「miruco」は、看護師に安心感を与えるツールだとわかりましたが、使う前は「当てるのが怖い」「ちゃんと見たいところが、見えるのか」などと思っていました。その不安感が無くなったのは、研修(講習会)を受けさせていただいたことが大きいと思っています。今は弊社のスタッフも積極的に「miruco」を使っていますが、それは実際にデモ機を膀胱用のファントム当ててみたり、画像の見方を教えていただいた事で、なにか危害を与えるわけではなく、見えるか見えないかだけだから「気軽に当ててみれば良いんだ!」「先ずは当ててみよう!」というふうに思ったからだと思います。ですので「miruco」の導入を考えている方が安心感を持てるように、エコーの使い方が学べる研修や、研修が実施できる看護師を増やすといった教育に力を入れていただきたいと思っています。

【普及を加速させるために ~①研究 ②事業所の安定~】

インタビュー動画(約3分)

■ 今後「miruco」を使ってやってみたいこと

今後「miruco」を使ってやってみたいことは、まず、いろいろな部位も見られるようになりたいのはもちろんですが、それとは別に弊社の事業所は「miruco」を導入して看護が良い方向に変わりましたので「miruco」を使うことで、看護師のアセスメント過程がどう変わったのか、また、その結果として、看護の質がどう変わったかを提示したいと思っています。そのためにも、様々な研究を実施していきたいと思います。

■「miruco」導入を検討する事業所・看護師へのメッセージ

「miruco」を導入しようと思っても、単純に経費として捉えられてしまうと、なかなか導入に踏み切れない事業所も多いのではないかと思います。しかし、実際に使ってみると経費よりもメリットの方が大きいとはっきり実感できます。そのメリットとは、看護師に安心感をもたらすことであり、その結果、事業所の看護が安定するということです。

看護師が安心して訪問できるということは「一人で患者さんのところに行くのは怖い」などと思っていた看護師が、安心して訪問看護の事業所に就職できたり、離職の防止につながったりすると思います。

また情報が共有しやすくなると、看護の質も高まりますので、緊急訪問や緊急入院が減ったり、医師を呼ぶケースも減るのではないかと思っていて、こうした点において事業所が安定するのではないかと思っています。

「miruco」は、エコーを“病院で使うもの”から“訪問看護でも簡単に使えるもの”へ進化させたと感じています。これから見られるものが増え、どんどん進化して訪問看護に普通にある機器になると思っていますので、「miruco」を導入する事業所が一つでも増えれば良いなと思います。

※ご所属・役職等はインタビュー当時のものとなりますのでご了承ください。


「全ての人に“家に帰る”選択肢を」提供するウィル訪問看護ステーション

2016年4月に設立したばかりの若い事業所です。「全ての人に“家に帰る”選択肢を」を理念に掲げ、小児、精神、がんや神経難病などの方々を中心に24時間365日の訪問看護を提供しています。ケアの見える化と問題解決評価のため、OMAHASYSTEMを使用しています。また、ITに特化し、効率的な働き方でケアへ集中できる環境を整えているのも特徴です。東京都内、江戸川区を中心に活動する江戸川事業所と、沖縄県豊見城市に拠点を置く豊見城事業所の2つの事業所で活動しています。

(取材協力:ウィル訪問看護ステーション